3週間で1,500曲。
それが、ある朝、全部消えました。
AIで音楽を作って配信する..そんな副業に、50歳の僕は本気で賭けていた時期があります。
が、土曜日の朝に届いた1通のメールで、すべてが終わりました。
今回はAI音楽副業で派手にコケた話を、隠さず全部書きます。
金銭損失はゼロ円。でも、得た学びは数十万円ぶんありました。
はじまりは「AIで音楽が作れる」という衝撃でした
Sunoという生成AI音楽サービスを知ったのは、2026年の春先でした。
歌詞とジャンルを入力するだけで、フル尺の楽曲が30秒で出来上がる。
最初に作った1曲を聞いた時、正直、画面の前で固まりました。
..これ、副業になるんじゃないか?
50歳で、楽器も弾けず、歌も歌えない僕でも、
ボタンひとつで「自分名義の楽曲」が量産できる。
副業を探していた身としては、これ以上ないチャンスに見えました。
「3週間で1,500曲」という、いま思えば異常な物量作戦
僕がやったのは、ものすごくシンプルな大量生産でした。
- 朝起きてから出勤前:30曲
- 昼休み:20曲
- 夜、子供が寝てから:80〜100曲
これを3週間。
気づいたら1,500曲を超えていました。
配信先は「DistroKid」という老舗の音楽配信代行サービス。
年間20ドルほどで、Spotify・Apple Music・YouTube Musicなどに無制限でアップできる。
1曲あたり数円の収益でも、1,500曲あれば塵も積もって..と、本気で計算していました。
量を増やすほど「成功する気がする」という錯覚
おかしな話なんですが..
曲数が増えるたびに、「これで成功する」と思い込んでいきました。
質より量。
当たれば1曲、外れても損失ゼロ。
試行回数こそ正義..そう信じきっていた1か月でした。
あなたも、副業で「とにかく数を出せばなんとかなる」と思ったこと、ありませんか?
僕はまさに、その典型でした。
一通のメール「あなたのアーティスト登録は拒否されました」
それは土曜日の朝でした。
コーヒー片手にメールを開いた瞬間、画面が固まったような気がしました。
内容を要約すると、こんな通知です。
お客様のアーティスト登録は、当社の判断により却下されました。
今後、配信ストアへの楽曲提出はできません。
(editorial discretion = 編集上の裁量による判断)
editorial discretion。
日本語にすると「うちの判断」という、ふんわりした拒否です。
理由は明示されません。
が、状況証拠はそろっていました。
3週間で1,500曲。
これが「機械的な大量生産」と判定されたのは、ほぼ確実です。
1,500曲ぶんの達成感が、本当に一晩で「無効」になりました。
配信ストア側のロジックは、思った以上にシビアだった
落ち着いてから調べると、いろいろわかってきました。
SpotifyやApple Musicは、この1〜2年で「AI大量生成楽曲」への対応を本気で厳しくしている。
- 1人のアーティストが短期間に大量にアップすると、自動でフラグが立つ
- 過去には1日に数万曲をアップしてBANされた事例もある
- DistroKidなどの配信代行は、ストアからの信用を守るために、怪しいアカウントを先回りで切る
つまり、僕は「ストアにとってリスクのあるアーティスト」と判定されたわけです。
冷静に振り返ると、当然の判断でした。
僕がストア側の立場でも、同じことをしたと思います。
残高ゼロ円=失敗のコストもゼロ円だった
ここで、いちばん大事なことを書きます。
僕の金銭損失は..ゼロ円でした。
DistroKidの年間費用は払い済みでしたが、それは「失敗のコスト」ではなく「実験のコスト」。
配信収益はまだ振り込まれておらず、残高ゼロのままアカウントが止まりました。
つまり、お金は1円も失っていない。
3週間ぶんの夜の時間+年間20ドル(約3,000円)。
これで「大量生産・大量配信は通用しない」と学べた。
振り返ると、ものすごく安い授業料でした。
本当に怖かったのは、金銭損失じゃなく..自分の中の熱量が一気に消えたことでした。
1,500曲ぶんの達成感が、一晩で無意味になる感覚。
50歳で副業に挑むと、こういう「気持ちのダメージ」こそが、本当のリスクだと知りました。
ゼロ円で買えた、3つの教訓
教訓1:プラットフォームに依存する副業は本当に脆い
DistroKidも、Spotifyも、Apple Musicも、僕の楽曲を扱う義務はない。
向こうの判断ひとつで、全部消える。
これは音楽配信に限らず、Amazon物販でもKindle出版でも、YouTubeでも同じです。
プラットフォーム依存の副業は..本当に脆い。
そこに気づけたのが、一番の収穫でした。
教訓2:量より「世界観」のほうが、はるかに強い
1,500曲アップしても、誰の心にも残らない。
が、たった10曲でも「夜中に聞きたくなる癒し」という世界観があれば、ちゃんと残る。
これに気づいてから、僕は方針を完全に変えました。
今は少数精鋭で、YouTube向けに作っています。
教訓3:失敗は、やったほうが安い
やらなければ、この3つの教訓は手に入りませんでした。
3週間と3,000円で、自分の中の「副業の現実」が深いところで更新された。
これを「やらずに本で読む」だったら、絶対に同じ深さで理解できなかったと思います。
失敗は、思っているより安いんです。
いま、僕がやっていること:YouTube×少数精鋭
配信から完全撤退したあと、僕がやっているのはYouTube音楽チャンネル運営です。
- Kacchan Sound:海外向けLo-Fi/作業BGM(48時間で約300視聴)
- トワのひとこと:深夜のラブソング1時間動画(女性向け)
配信ストアと違って、YouTubeは「視聴者が観てくれるかどうか」が全てです。
プラットフォームの裁量で楽曲が消されることは、規約違反をしない限りありません。
1曲あたりの単価ではなく、「世界観の濃さ」で勝負する方針に切り替えました。
50歳の僕から、これから副業を始めるあなたへ
最後に、これから副業を始める人へ、伝えたいことを3つ書きます。
- 「失敗してもゼロ円」の設計から始めること
- 「プラットフォームに祈る副業」は避けること
- 「量を増やせば突破できる」発想は、思考停止であると知ること
50歳で1,500曲が消えても、平気でいられた理由はシンプルです。
お金を1円も失っていなかったから。
時間と熱量は確かに痛かった。
が、それも次に活かせる「種」になりました。
副業って、「派手に成功する話」より、「派手に失敗しても生き残る設計」のほうが、ずっと大事だと思っています。
これはAI副業でも、株でも、ブログでも、同じ気がします。
50歳から始めて、どこまで行けるか。
失敗ぶんも含めて、このブログで全部書きながら、検証していきます。
🎵 YouTube版に切り替えてから、手応えが戻ってきました
Kacchan Sound チャンネル、よかったら覗いてみてください。
1,500曲の失敗を経て、いま「少数精鋭」で作っている音楽です。